Bell-Labs 純正の Plan9 は(チームが Google に移ったために)現在はメンテされていない。ここから派生した OS が2つある。9atom と 9front である。筆者は 9front を推奨する。推奨する理由は、
(a) Cinap の存在である。Cinap の能力は素晴らしく、僕のような凡人100人以上の力を発揮する。多分天才なのだろう。(それでいて傲慢さが無い)
(b) 9front を推奨する他の理由はファイルシステムに Ken Thompson の CWFS が採用されていることにある。こんなことを言うと Fossil のコードを書いた Russ には悪いが、Plan9 の Fossil は回避した方が良い。理由は(Venti との組み合わせで使うために)仕組みが複雑すぎる点にある。Ventiの設定が難しく性能が出にくい。僕が CWFS に移った時点では Fossil にはバグが残っていた。そのバグはまだ残っているかも知れない。Fossil を使う場合には Venti スコアの管理が重要である。このデータを失うと全てを失うことになる。僕が Fossil を使っていた時には、過去10回分のスコアを安全な場所に保管しており、それによって全滅を免れた経験がある。
(c) 9front が採用しているブートプロセスが素晴らしい。これは Cinap がいたから出来たのであろう。Plan9 のブートプロセスが抱えている問題点は、Bell-Labs にチームが存在すした時代から問題視されていたが、これが 9front で見事に解決されたわけである。Cinap は Rob Pike, Russ Cox に並ぶ天才である。
9front のダウンロードページは
http://9front.org/releases/
である。
9front は賑わっているが 9atom には人が集まってこない。そして死んだ。
本家の Plan9 は David du Colombier を中心に細々とメンテされているが、ドライバーの更新がままならない。彼の手に余ると思う。動かそうとすれば古いハードウェアを探さなくてはならない。インストールして動かすことは、現在では歴史的な興味以外には考えられない。
9front のカーネルの下で本家の Plan9 を動かすことは可能かも知れない。少なくとも疑似環境は簡単に実現できる。後に紹介する。
筆者の経験では、最近のハードウェアでは SATA コントローラーだけが問題である。最近の MB (Mother Board) では、このコントローラーは MB の South Bridge と一体なので、サポートされている MB を注意深く選ぶ必要がある。
次のページは参考になるかも...
http://9p.io/wiki/plan9/Supported_PC_hardware/index.html
僕は Gigabyte を買う事が多い。安いし、South Bridge との関係で...
次は筆者が使用してきたハードウェアである。
Hardware Guide http:/hardware/
新しい MB の場合には、(誰も試していないとの意味で)リスクを伴う。
まずは、VM である程度経験する方法が推奨できる。
VM の候補としては(Mac 環境の場合)
ダウンロードしたファイルは xxxx.iso.gz
の形式である。これから xxxx.iso
を作成する。この後
FQA 4 - 9front Installation Guide
http://fqa.9front.org/fqa4.html
に詳しい解説がある。
すでにインストール用のディスクを作成済みならば 「4.3 - Performing a simple install」 から読み始めればよい。
インストール用 ISO イメージから立ち上げれば、 Plan9 についての知識がなくても、デモモードで立ち上がるはずである。
デモモードを元にして、本当のインストールを開始する。そのためには
inst/start
途中、多数の問い合わせがあるが、基本的には「はい、はい」と答えればよい。