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VIA mini-ITX

目次

2007/12/21
2007/12/25
2007/12/28
2007/12/30
2007/12/31
2008/01/04
2008/01/13
2008/01/24
2009/06/10

VB7001G と LN10000EG

VIA の mini-ITX を 2 つ買った。

この二つはとても良く似ている。共に CPU として C7、メモリーは DDR2 400/533 DIMM ソケットを一つ持ち max 1GB である。使っているチップセットも同じであり、ボード上のチップやコネクターの配置も基本的に同じである。
違いは VB7001G の方が 1.5GHz でファンを付けているのに対して、LN10000EG はファンレスである。また VB7001G は幾つかのオンボードコネクターを省いており、値段が安い。

共にボードには FD コネクターが着いていない。まあ、もう FD を使わない時代だからね注1

注1: USB-FDD からのブートは可能である。僕の持っている古い Win98 の起動ディスク(実際には DOS)はちゃんと起動する。BIOS のレベルで旨くごまかすのだろうが、どの OS についても同じように旨く行くのかどうかは知らない。(多分そんなに旨くは行かないだろう...)
Win2000 インストール用の CDROM を USB-CDROM に入れて試したがブートしない。本質的な問題かも知れないしドライブとの相性の問題があるかも知れない。考えてみると USB デバイスからのブートには悩ましい問題が含まれている。
(2007/12/31)

どうした訳か VB7001G の方には Installation Guide が入っていなかった。この場合に一番問題になるのは、マザーボードとケースを接続するコネクターとピンの配置が分からないことである。このコネクターとピンの配置は LN10000EG と同じはずなので、僕の場合にはそれで事なきを得たが、大抵の人は困るだろうな。

と言う訳で、他から採って来たものを載せておく。

この図はまだ不親切で、LN10000EG の Installation Guide では

と説明されている。

なお、なおこの図は VIA のホームペジに置かれているユーザーズマニュアルから切り取ったもので、このマニュアルは非常に役に立つ。

VB7001G のファン音は想像していたより静かである。そして十分よく冷えている。しかし LN10000EG の放熱版はは想像していたより熱い注2。サーバーとして使う場合には冷却が欲しい気分になる。

注2: 僕はサーバーの一つは C3(1GHz) のファンレスであるが、放熱版は熱くはない。もっとも、大きな放熱版を使っているのだが。 (http://plan9.aichi-u.ac.jp/hardware/)

僕は共に DDR2/533 500MB のメモリーを載せた。DDR2/533 は高いね。500MB で 5000円だもの注3

注3: VB7001G を買い増し、メモリーを再度アマゾンで買った。ところが今回は同様な値段で 1GB のものを売っている! 同じアマゾンを通したのにだ! 僕は前回は何か間違ったのか? それとも単に値崩れか? (2008/01/04 追加)
上は 500MB DIMM の価格、下は 1GB DIMM の価格。共に一枚の価格である。
(アマゾンの確認メールからの引用)


Plan 9 との相性

僕は VIA の mini-ITX を Plan 9 の新しいシステムの CPU サーバーおよび端末として運用する予定である。もっとも VIA の mini-ATX は単体としては僕の CPU サーバーとしては力不足なので、今回は複数の CPU サーバーを使って処理させるつもりである。従って mini-ITX を選ぶにあたりPlan 9 との相性をチェックしている。僕が購入したボードは Plan 9 との相性は良い。

注1: LN10000EG の PXE Load がどうやっても成功しない。VB7001G の場合 PXE Load を実行すれば "DHCP..." のメッセージが出るのだが LN10000EG ではこれが出ない。そして "Boot Failure" だ。(2008/01/04 追記)

従って、研究室の Plan 9 端末として使う場合には HDD も FDD も不要でメモリーを載せるだけで OK である。

VIA VB7001G を使った Plan 9 端末注2 (拡大)

さらにサーバーとして欲しい機能は停電の後に電源が回復したら自動的にコンピュータが動き出す機能である。昔のパソコンの電源スイッチはハードスイッチなので、どれもそのようになっていたのだが、最近のはソフトスイッチになっているので、停電のあとに再スタートさせるには手でスイッチを入れなくてはならないものがある。サーバーとしてはこれは困りもので、BIOS の設定で昔のような使い方ができるものが欲しいのである。今回の VIA のマザーボードは OK である。

注2: 写真ではボードを浮かせてないが、今はボードをネジで浮かせている。一日でハングしたので...
もっともハングの原因がそこにあったのかどうかは知らない。現在は安定している。(2007/12/28 追記)

PXE Load

HDD も FDD も載せるつもりはない。完全ネットワークブートである。そのためには PXE Load が不可欠である。

BIOS の設定

ファイルサーバーの設定

ファイルサーバーの設定は二カ所である。いずれも MAC アドレスが関係している。

MAC アドレスは LAN コネクターの上に張られている。僕の VB7001G の MAC アドレスは

	004063f1eb7c
だ。

/lib/ndb/local

僕の Plan 9 端末名は "al" である。
ip=202.250.160.73 ether=004063f1eb7c  sys=al
	dom=al.aichi-u.ac.jp
	bootf=/386/9pxeload
	proto=il
	auth=hera
	fs=hera
hera は僕の認証サーバ兼ファイルサーバの名前である。
ここでは bootf に
	/386/9pxeload
を設定する事が大切である。なお il プロトコルは最新のカーネルの配布版では廃止されているので
	proto=tcp
にすべきであろう。

/cfg/pxe/

hera の /cfg/pxe/ の下にファイル
	004063f1eb7c
を作る。(この16進数は MAC アドレスである。) その内容は
*nomp=1
bootfile=ether0!hera!/386/9pc
ether0=type=vt6102
monitor=vesa
vgasize=1280x1024x16
mouseport=ps2intellimouse
sysname=al
hwaccel=on
ipconfig=local
fs=202.250.160.71
auth=202.250.160.71
ここに 202.250.160.71 は hera の IP である。また ipconfig は僕が昔から勝手に使用している環境変数であり、普通は他の方法を使う。

VESA の vegasize はどのようなものが可能かはハードウェア毎に異なる。

	aux/vga -m vesa -p
を実行してみれば可能なパラメータの一覧が得られる。VESA モードはちょっともっさりしているが、僕にとっては許容範囲である。

2009/06/10 追加:
今日 9fans に Geoff から VESA に関するアナウンスがあった。MTRR をサポートしたという。早速その効果を確認した。もっさり感は全く無くなっており、キビキビ動作する。Plan 9 のグラフィックスはシンプルであるから VESA で十分である。
なおマルチコアの下での VESA MTRR のサポートはまだである。

ブートの順序

ブートは次の手順で行われていると思う。
  1. クライアントは DHCP サーバーから IP 情報を受け取る
  2. クライアントが PXE ローダーを探す
  3. PXE サーバーが pxeload を渡す
  4. クライアントは pxeload を実行する
  5. pxeload が plan9.ini をサーバーから受け取る
  6. pxeload がカーネル 9pc をサーバーからダウンロード
  7. クライアントは 9pc を実行しファイルシステムをマウントする
これは僕の推測で、ソースコードを読んでの事ではない。

トラブルの記録

2007/12/25

pxeload の実行が安定しない。vt6102 の初期化に失敗する事があるのではないかと疑われる。

2008/01/13

今日は日曜日。だけど研究室にでかけたのだ。昨日は USB から NVRAM を読み取る CPU サーバーのカーネルを作っていた。そして家での実験は成功して、それを研究室の mini-ITX(VB7001G) で最終的な確認をしたかったのだ。しかし... 今度は VB7001B が PXE Boot しない! BIOS の設定を再確認したが、やっぱりダメだ。症状は LN10000EG と全く同じ。なんてことだ...

2008/01/24

LN10000EG や VB7001G の PXE Boot の問題を VIA に報告し、対処の方法を教えてもらおうと思ったが、どうやら直接的な窓口はないらしい。僕が見つけた唯一の窓口は "TKArena Forum" だ。ここではユーザー同士がコミュニケーションを行っている。しようがないから、このフォーラムに加入し、問題点を報告し、対処の仕方を求めた。
http://www.tkarena.com/forums/via-epia-mini-itx-nano-itx-pico-itx-arena/36053-pxe-boot.html
昨日ようやくユーザーからのレスポンズがあった。どうやら元の状態に戻すノウハウがあるらしい。

2008/02/12

どやら SATA は問題を抱えているらしい。不安定なのだ。僕の経験では HDD を 2 個接続した場合に SATA に接続した HDD が問題を引き起こす。I/O エラーを起こす(HDD へのアクセスが出来なくなる)のだ。NG になる規則は次の表の通りだ。

接続形態 結果
SATA x 2 NG
SATA x 1 + IDE x 1 NG
IDE x 2 OK
SATA x 2 の問題については 9fans でも誰かが詳しく指摘していた。

処理能力

2007/12/31 追加

N-queen 問題注1の処理時間を測定してみた。N=17 では 319 秒を要した。この値は 1.5GHz の CPU としては遅い。以下に他の CPU と比較した値を示す。

CPU name (clock) Elapsed time
C7 (1.5GHz) 319
P4-Xeon (2.4GHz) 109
Athlon (1.8GHz) 121
注1: 詳しくは http://plan9.aichi-u.ac.jp/9grid/gtk.html を見よ。

電源

2007/12/30 追加

VIA では mini-ITX 用の様々な電源も売っている。
http://www.mini-box.com/site/index.html

picoPSU-90

これは僕が購入を検討中の 12VDC → mini-ITX 電源
12V 単一電源を可能にするユニット
$40
多数の mini-ITX を同時に使う時に便利
そのような使い方をしなくても、12V電源と組み合わせれば工場などで使う時に便利だろうね。